ジョイラさんがスカウトに走り回ってる間のティアナさんの話。
前回、ちょい見せされてたアルヴァードさん。
実はベナリアの騎士だったことが判明。
でも大体は成功しましたって・・・。
陰謀団と戦ってるらしい。何か一枚岩では行かなさそうな雰囲気だけど、味方っぽい?
そうですね。確かにそう思います。
パワーストーンには吸血鬼を元に戻す効果もあるらしい?
なんだ、めっちゃいい人じゃん。
この人(吸血鬼)次のエキスパンションで死にそう・・・。
襲い来るフェニックス。
討ち取ろうとしたが、あえなく撃ち落とされウェザーライトを燃やそうと向かったフェニックスをアルヴァードさんが射る。
え、何この人(吸血鬼)かっこいい。
めっちゃ紳士じゃん。
どっかの空飛ぶ猫が収めてた蛮族次元の吸血鬼達とは大違いだな!
この紳士と蛮族次元から逃げられた二児のパパで専用デッキとか楽しそう。
男は掌を見せて両手を挙げた。「セラの天使様」 そして深々と頭を下げた、まるで本物のベナリア騎士のように。「セラに誓って、私は害を成すためにここを訪れたのではありません」
「違うと?」 ティアナは好奇心とともに尋ねた。「あなたは吸血鬼、ですから、お判りかと思いますが、いずれ人々に害を成すことを考えるものでしょう」
男はかぶりを振った。その姿は疲労しているように見えた。「いいえ。私は自ら選んでこの姿になったのではありません。全力を持って自らと戦っております」
「何者ですか?」 ティアナは尋ねた。何者だったのですか、が正確な問いかけだったかもしれない。だがそうするのは無礼か侮辱のようにも思えた。
「ベナリアの騎士、アルヴァードと申します。捕えられ、吸血鬼へと変質させられました」 その声は落ち着いており、だがその中には僅かな諦めがあった。「誰にも危害を加えぬよう試みてきました。そして大体は成功してきました」
前回、ちょい見せされてたアルヴァードさん。
実はベナリアの騎士だったことが判明。
でも大体は成功しましたって・・・。
アルヴァードは顔をそむけ、そして認めた。「可能な限り、陰謀団と戦っています。時折、戦いの最中、自らを止められなくなるのです」
「ですが陰謀団のみであると?」 ティアナは尋ねた。それは道徳的に危うい所だった。あの陰謀団が自らの死すら喜ぶ快楽殺人者なのは言うまでもなく、単に定命のベナリア騎士が陰謀団の冷酷漢や司祭に殺害されたという状況でもなかった。この男が何も考えず彼らの血を飲んでいるのでもないのだ。
陰謀団と戦ってるらしい。何か一枚岩では行かなさそうな雰囲気だけど、味方っぽい?
ティアナはハディとティエンを一瞥した。ティエンはわずかに前進し、アルヴァードを凝視して言った。「顔色が良くなっていますよ。血色が。そして目も赤みが収まっています」
ティアナは頷いた。「見せてくれますか、その……」 彼女は自身の口を指差した。「わかりますよね」
その要請の奇妙さにアルヴァードは眉をひそめ、だが口を開けて牙を見せた。ティアナは目を狭めた。「明らかに小さくなっています」
ハディが頷いた。「私もそう思います」
そうですね。確かにそう思います。
パワーストーンには吸血鬼を元に戻す効果もあるらしい?
パワーストーンの影響を受け、アルヴァードは吸血鬼の特性である陽光への感応を失った。そのため彼は浜辺へと出て、しばしば鎧を脱いでは棹を手にして波打ち際に立ち、魚を捕まえて作業員の夕食に提供していた。ティアナは砂丘の上から彼を見つめ、ティエンへと報告した。「吸血鬼となってから、こんなに平凡な活動をするのは初めてなのだそうです」
なんだ、めっちゃいい人じゃん。
この人(吸血鬼)次のエキスパンションで死にそう・・・。
山岳地帯から彼らへと降下してくるのは一羽のフェニックスだった。巨大な猛禽、その翼長はティアナのそれの数倍もあり、身体全体が炎に覆われていた。ウェザーライト号を燃やそうとしている。
襲い来るフェニックス。
恐怖が心臓を凍りつかせ、彼女は身をよじってウェザーライト号へと目を向けた。フェニックスは隙だらけの飛翔艦へ襲いかかり、間に合う術はない――
だが首筋に一本の矢が当たり、フェニックスは身をよじって進路を逸れた。矢は羽毛の炎が着火して燃えながら落ち、だが続けざまに二本目、三本目の矢が命中した。ティアナが岩の上へ急ぐと、飛翔艦の傍にアルヴァードが立っていた。彼は長弓を手に、次の矢を放ったところだった。
討ち取ろうとしたが、あえなく撃ち落とされウェザーライトを燃やそうと向かったフェニックスをアルヴァードさんが射る。
え、何この人(吸血鬼)かっこいい。
ティアナは岸辺へと振り返り、衣服と髪までも燃えていることに気が付いた。
宿営そばの固まった泥の上に着地すると、ファリムが駆け寄って桶一杯の水を浴びせた。ティアナは顔から水を滴らせて咳込んだ。アルヴァードが濡れた毛布を彼女の翼にかけ、慌てて尋ねた。「ご無事ですか?」
炎は消えた。傷は表面的なものに過ぎず、それに天使の治癒は人よりもずっと速い。「私は大丈夫です」 アルヴァードもまた所々が焦げており、その官服には明らかに燃えた跡があった。「あなたは?」
「アルヴァードが守ってくれました」 今も息を切らしながらティエンが言った。彼女は煙が立つ天幕の残骸を指さした。「彼がカンバスを持ち上げてくれて、それで逃げられました。そして彼はウェザーライト号を守ってくれました。貴女のことも守ってくれたのだと思います」
めっちゃ紳士じゃん。
どっかの空飛ぶ猫が収めてた蛮族次元の吸血鬼達とは大違いだな!
この紳士と蛮族次元から逃げられた二児のパパで専用デッキとか楽しそう。
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